廃校寸前の学校を救った「会社」のような学び
松ヶ崎小中学校が復活を遂げた背景には、株式会社WEという教育支援企業との連携がありました。この取り組みでは、学校を一つの会社に見立て、子どもたち自身が学校の存続や地域を元気にするための「社員」として、さまざまなプロジェクトに取り組みました。
具体的には、以下のような点が成功の鍵となったようです。
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生徒数が劇的に増加: 廃校寸前の4名から、7年で30名へと約7.5倍に増えました。これは、学校が地域に「選ばれる」存在になった証と言えるでしょう。
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実社会で役立つ力を育む: ただの体験活動ではなく、本格的なビジネスを実践。中学生が実際に会社を立ち上げたり、地域の特産品を使った商品を開発・販売したりと、リアルな経験を積みました。
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独自の指導方法: 先生方と外部の専門家が連携し、子どもたちが「2030年の長期ビジョン」を持つことを促し、その目標達成に向けて主体的に行動できるようサポートするシステムを構築しました。

子どもたちの「本気」が地域を動かす具体的な成果
子どもたちが取り組んだプロジェクトは、単なる勉強の延長ではありませんでした。地域の課題を解決し、実際にビジネスとして成果を出すことに繋がっています。
1. 中学生が起業家デビュー
ある生徒は、小学校の頃から夢中だった昆虫について、地域の昆虫博活動を開始。デジタルマップ作成やSNSでの発信が評価され、講演依頼が来るまでに成長し、なんと中学校にいながらにして起業を達成したそうです。自分の「好き」を突き詰めて、仕事に繋げる経験は、子どもたちにとって大きな自信になったことでしょう。
2. 伝統芸能Tシャツを完売
佐渡の伝統芸能「鬼太鼓」のTシャツをデザインし、販売するプロジェクトも行われました。デザインだけでなく、「誰に売りたいのか?」「なぜ買ってくれるのか?」といったプロの厳しい問いかけにも向き合い、納期に間に合わせるための工夫を凝らすなど、ビジネスの現場さながらの経験を積みました。この経験を通じて、社会に出てからも役立つ「やりきる力」を身につけたとのことです。
3. 地元産品で黒字ビジネス
佐渡の名産「おけさ柿」や「佐渡塩」を使ったパンを開発し、イオンモールで販売する企画も実施されました。レシピ開発から、地域の職人さんとの交渉、そして島外での販売まで、子どもたちがすべてを担い、3時間半で約230点を完売、黒字化も達成しました。ものを企画し、交渉し、販売するまでの一連の流れを体験することで、経済の仕組みを肌で感じることができたはずです。

親として感じる、子どもたちの成長と未来への希望
この松ヶ崎小中学校の取り組みは、私たち保護者にとっても大変示唆に富んでいます。
子どもたちが、ただ学校の勉強をするだけでなく、地域の課題に目を向け、自分たちの力で解決しようと行動する。そして、その活動が実際に成果を生み、学校や地域が元気になっていく過程を経験できるのは、何物にも代えがたい学びです。将来、社会に出たときに本当に役立つ「生きる力」を、机上の空論ではなく、実体験として身につけられるのは素晴らしいことだと思います。
「人数が少ないから統廃合」という流れに逆らい、「人数が少ないからこそできることがある」ということを証明したこのモデルは、全国の小規模校や過疎地域で学校の存続に悩む方々にとって、大きな希望となるのではないでしょうか。
私たち親ができることとしては、子どもが「こんなことをやってみたい」と目を輝かせたときに、その気持ちを応援し、見守る姿勢が大切だと改めて感じます。また、地域と学校が連携して、子どもたちの学びを深める機会が増えるよう、関心を持って見守っていきたいですね。
今後の展開について
株式会社WEは、この松ヶ崎小中学校での成功事例を、全国の他の地域でも活用できるモデルとして広げていく予定だそうです。地域課題の解決や学校改革に関心のある自治体や学校関係者からの問い合わせを歓迎しているとのこと。
このプロジェクトの詳細なエピソードは、株式会社WEのウェブサイトで順次公開されています。

まとめ
佐渡市立松ヶ崎小中学校の取り組みは、少子化や過疎化に悩む現代社会において、学校教育が地域と連携し、子どもたちの主体性と実践力を育むことで、どれほどの可能性を秘めているかを示してくれました。子どもたちが「会社員」として地域を盛り上げる姿は、私たち大人にとっても、未来への大きなヒントを与えてくれることでしょう。
出典:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000056370.html)

