新しい食育モデルのポイント
今回の実証授業では、子どもたちの食に関する学びを深めるための工夫がいくつもありました。
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福井県教育庁義務教育課と株式会社MIRAIEが協力し、食育の新しいモデルを構築。
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子どもが安全に調理できるよう、包丁や火を使わないミールキット「おむすびシェフ」を使用。
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地域で収穫されたお米を使い、米作りから調理、そして味わうまでの一貫した体験を提供。
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高学年(5年生)が低学年(2年生)の調理をサポートする合同学習を実施し、協力する心を育む。
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今回の福井県での成功を足がかりに、今後は全国への展開も目指しているとのことです。

なぜ今、「自炊力」を育む食育が必要なのか
現代の子どもたちを取り巻く環境は、かつてと大きく変わっています。小学校や中学校での家庭科の授業時間が減り、また、共働き世帯の増加によって、家庭でじっくりと食育に取り組む時間が限られるようになりました。
このような背景から、自分で考えて料理を作り、食べることのできる「自炊力」を学校で育むことには大きな意味があります。これは、子どもたちが将来、自立して生活していくための大切な力となるでしょう。さらに、地域の食材に触れ、米作りから調理までを体験することで、地元の食文化や、食料生産を支える人々への感謝の気持ちも育まれます。

「おむすびシェフ」で広がる子どもの可能性
今回の実証授業で活用された「おむすびシェフ」は、子どもが主体となっておむすびとみそ汁を作れる教育ミールキットです。料理研究家の福田淳子さんが考案したレシピは、野菜嫌いの子どもでも食べやすいよう、調理法や味付けに工夫が凝らされています。また、お湯を注ぐだけで完成する「まほうのみそスティック」は、野菜の食感や色合いを楽しめるセミドライ製法が特許庁の実用新案権も取得しているそうです。

子どもたちの声から見えてくる成長
実際に授業に参加した子どもたちからは、こんな嬉しい声が聞かれました。
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「本当はにんじんがあまり好きではなかったけれど、ツナにんじんまみれを食べて、にんじんのことをちょっとだけ好きになった。とてもにんじんがうまいことに気づきました」(小学校5年生男子)
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「今日をずっと楽しみにしていたので、おいしいおむすびを作れて本当にうれしかった!また私も自分でいろんなおむすびを作ってみたくなりました」(小学校5年生女子)
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「私たちみたいな小さい子でも、簡単に作れて楽しかったです。自分で作ってみたら、もっと食べてみたくなるということもありました」(小学校2年生女子)
苦手な食べ物にも挑戦できたり、料理の楽しさに目覚めたりと、子どもたちにとって貴重な体験になったことが伝わってきます。自分で作ったものは、やはり格別なのでしょう。

保護者として考える、家庭での食育
今回の福井県での取り組みは学校での実証ですが、私たち家庭でも参考にできる点がたくさんあります。例えば、「おむすびシェフ」のように、安全に配慮された調理キットを活用したり、子どもが自分で選んだ食材を使って簡単な料理に挑戦させたりするのも良いでしょう。一緒に台所に立つ時間を増やし、食への興味を引き出す工夫をしてみませんか。子どもが「自分でやってみたい」という気持ちを大切にすることが、自炊力への第一歩だと感じています。
まとめ
福井県で始まったこの新しい食育モデルは、現代の子どもたちが食と主体的に向き合い、将来に役立つ「自炊力」を育むための貴重な一歩です。家庭と学校、地域が連携することで、子どもたちの食への関心と自立心を大きく伸ばしていくことが期待されます。このような取り組みが全国に広がり、多くの子どもたちが食の楽しさや大切さを学ぶ機会を得られることを願っています。
「おむすびシェフ」について、より詳しい情報は以下のリンクからご覧いただけます。
出典:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000166519.html)

