新しい学校「アトリエe.f.t.」の要点
「e.f.t. College of Arts – アトリエe.f.t.」は、2027年4月の開学を目指している新しいタイプの学校です。主な特徴は以下の通りです。
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コンセプト:「つくるを通していきるを学ぶ」を掲げ、子どもたちが自ら考え、行動する力を養います。
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対象:すべての子どもたちが主体的に学べる場を提供し、大人の価値観も一緒にアップデートしていくことを目指します。
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背景:不登校の子どもたちが全国で増加している現状(2024年度で35万人)を受け、子どもたちが安心して「いていい」と感じられる居場所づくりを重視しています。
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教育の柱:アートとデザインを教材に、倫理的で持続可能な価値観を持ち、自分の道を切り開ける「アーティスト」を育てることを目指します。
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地域連携:教育と福祉、そして地域社会をつなぎ、自治体(奈良県天理市)とも協力しながら、新しい教育モデルを構築していきます。

なぜ今、この新しい教育が必要なのでしょうか
現代社会は変化が激しく、子どもたちが直面する課題も複雑になっています。学校に行かない選択をする子どもが増えている現状は、子どもたちだけの問題ではなく、大人が社会全体で考えるべき課題だと捉えられています。
「アトリエe.f.t.」は、このような状況に対し、子どもたちが「いていい」と安心できる居場所を提供し、楽しみながら学び直そうとする大人の存在が不可欠だと考えています。クリエイティブな活動を通して、子どもたちが自らの手で人生や社会、幸せの価値観をつくり出す力を育むことを目指しているのです。

この学校の活動は、以下の4つの軸で進められます。
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〔居場所〕Care:大人が楽しみながらつくる、子どもが「いていい」と安心できる場所です。
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〔つくる〕Arts:「つくるを通していきるを学ぶ」を合言葉に、アートやデザインを教材として生きる力を学びます。
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〔共同体〕Community:地域の大人の価値観や行動を新しくしていくための仕組みをデザインします。
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〔活動拠点〕Base:すべての活動の基盤となる、ものづくりに適した豊かな環境を整えます。



奈良県天理市との連携と保護者への影響
この取り組みは、奈良県天理市と「アトリエe.f.t.」が協力して進めています。天理市は以前から教育改革に力を入れており、「ひとりひとりの『しなやかさ』を育む『共育』へ」という教育大綱を掲げています。
特に注目されるのは「ほっとステーション」という取り組みです。これは、心理士や弁護士といった専門家が学校と連携し、教育と福祉を一体で支える仕組みで、子どもたちの不安を受け止め、教職員の負担軽減にもつながっているそうです。この実績は文部科学省やこども家庭庁のモデル事業にも採択され、全国から視察が相次いでいます。


天理市は、このような考え方をさらに発展させるため、2025年9月に「アトリエe.f.t.」と包括連携協定を結びました。これにより、自治体と民間が協力し、子どもたちが主体的に学び、大人もワクワクする新しい教育モデルが実現されることが期待されます。
保護者の皆さんにとっては、子どもが安心して自分の興味を追求できる場所が生まれることは、大きな希望となるでしょう。既存の教育システムでは見過ごされがちな個性を伸ばし、将来にわたって役立つ「生きる力」を育む環境が提供されることで、子どもたちの可能性が大きく広がるかもしれません。

新しい学校の拠点となるのは、長年地域に親しまれてきた「天理市御経野児童館」です。この施設をリノベーションし、教育・福祉・地域をつなぐ新しい拠点として生まれ変わらせる計画が進んでいます。

家庭でできること
この新しい教育モデルは、2億7千万円の資金を必要としており、企業版ふるさと納税などを通じた寄付が募集されています。私たち保護者が直接寄付することは難しいかもしれませんが、この取り組みについて知り、関心を持つだけでも大きな意味があると考えています。
家庭では、子どもの「つくりたい」「やってみたい」という気持ちを大切にし、主体性を尊重する姿勢が、この学校の目指す「生きる力を育む」ことにつながるはずです。また、地域の教育や子育てに関する情報に目を向け、子どもたちが多様な学びの機会に触れられるようサポートすることも大切ですね。

まとめ
奈良県天理市で進められている「e.f.t. College of Arts – アトリエe.f.t.」の開学は、子どもたちの「生きる力」を育むだけでなく、大人も巻き込み、地域全体で教育を考えるきっかけとなるでしょう。これからの日本の教育が、より自由で楽しく、開かれたものになることを期待せずにはいられません。

出典:PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000042496.html

