調査結果のポイント
今回の調査から、不登校に関するいくつかの大切な点が浮かび上がってきました。
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子どもの不登校経験・兆候: 全体の約4割の家庭で、不登校の経験やその兆候が見られました。
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不登校の主なきっかけ:
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小学生では「感覚の過敏さや集中のしにくさなど、発達特性による不安や疲れ」が最も多く挙げられています。
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中学生では「朝起きるのがつらい、体調が安定しなかった」が最多でした。
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フリースクール利用状況: 過去あるいは現在不登校状態にある子どものうち、約8割が「フリースクールを一度も利用したことがない」と回答しています。
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フリースクール利用を検討しない理由: 最も多かったのは「費用が高いと感じるため」でした。
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フリースクールへの期待:
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小学生の保護者は「友達や同世代の人と関われる場」を重視する傾向があります。
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中学生の保護者は「学び直しなど学習の遅れへのサポート」を最も期待しています。
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国や自治体への支援要望: 約9割の保護者が「利用料の補助」を求めています。
不登校は身近な問題に:約4割の家庭が経験
「うちの子に限って…」と思っていても、不登校は誰にでも起こりうる問題です。今回の調査では、小中学生の保護者2,116名のうち、約4割が「過去に不登校状態になったことがあるが今は通えている」「現在学校に通えていない(不登校状態にある)」「不登校状態にはなったことはないが、行き渋りなどの兆候はある」と回答しました。学校に不安なく通えている子どもは約6割にとどまっています。この数字を見ると、不登校が特別なことではなく、多くの家庭にとって身近な課題であることがわかります。
不登校のきっかけ、学年で異なる傾向
子どもが学校に行きにくくなるきっかけは、学年によって少しずつ違うようです。

小学生の場合、約4割の保護者が「感覚の過敏さや集中のしにくさなど、発達特性による不安や疲れがあった」ことをきっかけとして挙げています。次いで「クラスメイトとの人間関係」や「先生との人間関係」が続きます。
一方、中学生では「朝起きるのがつらい、体調が安定しなかった」が最も多く、約37%に上ります。こちらも「クラスメイトとの人間関係」が大きな要因となっています。小学生、中学生ともに、きっかけは一つだけではなく、複数の要因が絡み合っているケースが多いことがうかがえます。
フリースクール、認知はあっても利用に壁
不登校を経験したことのある子どもの保護者に、フリースクールの利用経験を尋ねたところ、約8割が「一度も利用したことがない」と回答しました。

しかし、現在不登校の状態にある、または行き渋りの兆候がある保護者の約7割は、「条件が合えば利用したい」と前向きな意向を示しています。フリースクールへの関心は高いものの、実際の利用にはまだハードルがあるようです。

利用しない最大の理由は「費用」
「今後、フリースクールを利用するつもりはない」と回答した保護者にその理由を尋ねると、「費用が高いと感じるため」が約42%と最も多く挙げられました。

その他、「学校復帰や進学にどうつながるか不安があるため」や「本人が行きたがらないため」といった理由も上位に挙がっています。経済的な負担が、子どもにとって良い選択肢になりうるフリースクールの利用を妨げている現状が見えてきます。
フリースクールに求めること、年齢で違い
フリースクールに期待する内容も、子どもの学年によって違いがあることが分かりました。

小学生の保護者は、「友達や同世代の人と関われる場」を最も重視し、次いで「学校以外の安心できる居場所づくり」を期待しています。子どもたちが安心して過ごせる環境や、仲間との交流を求めているようです。
一方、中学生の保護者は「学び直しなど学習の遅れへのサポート」を最も強く望んでいます。小学校高学年から中学校にかけては、進学への不安も大きくなる時期。学習面での支援が重要視されていることがわかります。
多様な学び方と公的支援の必要性
フリースクールの利用スタイルについては、小学生では「通学とオンラインのハイブリッド」と「通学中心」がほぼ同数でした。中学生では「ハイブリッド」が約4割と最も多く、オンラインと通学を組み合わせた柔軟な学び方が求められていることが伺えます。

そして、国や自治体への支援として、約9割の保護者が「利用料の補助」を挙げています。これは、先の「利用しない理由」で費用が高いことが挙げられたことと一致します。さらに、「フリースクールの質を保証する公的な認証制度」や「卒業後の進学・就職支援」も約半数の保護者から要望されており、フリースクールがより安心して利用できる環境づくりが求められています。

父親として考える、家庭でできること
今回の調査結果を受けて、ベネッセ教育情報「不登校・通信制高校領域」教育スペシャリストの上木原 孝伸氏も「不登校は特定の家庭だけに起こることではなく、誰にでも起こりうる事象」とコメントしています。

私も3人の小学生の父親として、子どもが学校に行き渋ったり、つらそうな様子を見せたりしたときに、どうすればいいか悩むことがあります。この調査から学べることは、まず子どもに「なぜ」と原因を問い詰めるのではなく、子どもの今の状況を受け止める姿勢が大切だということです。
そして、学校以外の学びの選択肢としてフリースクールがあること、その費用面や情報不足が課題であることも理解できました。もしもの時のために、私たち保護者も「不登校ライフナビ」のような情報サイトで、日頃から情報を集めておくことが重要だと感じます。

まとめ
今回のベネッセの調査により、小中学生の不登校は多くの家庭にとって身近な問題であり、その背景には多様な要因があることが改めて示されました。フリースクールは、不登校の子どもたちにとって大切な居場所や学びの機会を提供する可能性がありますが、費用面や情報、制度の課題が利用を妨げています。子どもたちが自分に合った学び方を選べるよう、多様な選択肢の充実と、それを支える公的な支援が今後ますます求められるでしょう。
出典:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001436.000000120.html)

