調査結果の要点
株式会社DeltaXが運営する塾選びサービス『塾選』の調査によると、以下のような実態が明らかになりました。
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小学生・中学生の保護者の3人に1人(35.8%)が、自身の言動が教育虐待にあたるかもしれないと不安を感じた経験があると回答しました。
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この不安の背景には、子どもの将来を思うからこそ「良かれと思って口を出したが、やりすぎたかもしれない」という後悔が共通して見られます。
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周囲で見聞きした「これは教育虐待に近い」と感じる行動には、「子どもの意思に反する強制」「成績や結果への過度なプレッシャー」「罰としての生活制限」が多く挙げられています。
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保護者が自身の行動を振り返るための3つの具体的なポイントが示されています。

詳細は塾選ジャーナルの記事「教育虐待とは?“教育熱心”との境界線【教育評論家 親野智可等先生監修】」でも解説されています。
熱心な関わりが「やりすぎ」に変わる時:親が不安を感じる5つの理由
保護者が「教育虐待かもしれない」と不安を感じる瞬間はさまざまです。しかし、共通しているのは、子どもの将来を願うがゆえに、つい口を出しすぎてしまい「やりすぎたかもしれない」と自分を責めてしまうことでした。具体的な理由を見てみましょう。
- 脅し文句や条件づけで子どもをコントロールしてしまったから
「宿題をしないと〇〇はさせないよ」といった言葉は、短期的には効果があっても、子どもは「親の言うことを聞かないと認めてもらえない」と感じてしまう可能性があります。 - 親自身の焦りや不安で子どもを急かしてしまったから
テスト前や受験期など、「間に合うか」という親の焦りが、「今やらないと時間がないよ!」といった強い言葉になり、かえって子どもの学習意欲を損ねてしまうことがあります。 - その場の感情に任せて強く叱りすぎてしまったから
子どもの態度や生活習慣にイライラが募り、感情的に強く叱ってしまうことは、誰にでも経験があるかもしれません。しかし、繰り返される強い叱責は、親子の信頼関係に溝を作り、子どもが心を閉ざす原因にもなりかねません。 - 自分の価値観や理想を子どもに押し付けてしまったから
親自身の成功体験や「こうすべき」という価値観が、子どもの進路や勉強方法に強く反映され、気づかないうちに子どもの主体性を奪ってしまうことがあります。 - 子どもの努力よりも結果を求め、要求ばかりしてしまったから
「もっとできるでしょ」「まだ足りない」と、子どもの努力を認める前に次のハードルを提示し続けると、子どもは「自分は十分じゃない」と感じ、自己肯定感が低下する危険があります。
「これは教育虐待に近いかも」周囲が感じる境界線を超えた行動
他の保護者の言動を見て、「それは教育虐待ではないか」と感じたエピソードも多く寄せられています。特に共通して見られたのは、以下の3点です。
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子どもの意思を無視した「強制」
子どもが望んでいない進路、習い事、塾通いを、親の期待や価値観だけで「当然」のように進めてしまうケースです。これは、子どもの自己決定感を損ない、親子の信頼関係に影響を与える可能性があります。- 「公立中学に行きたいと言ってる子どもが受験塾に通わされている。」(東京都・小学4年生保護者)
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成績・点数への過度なプレッシャーと叱責
テストの点数や順位に対する過度な要求や叱責も、多く見られました。点数は目に見えやすい指標ですが、それが過度になると、子どもは結果ばかりを気にしてミスを恐れて萎縮してしまうことがあります。 -
「100点以外は認めない。100点を取って当たり前な家庭。」(大阪府・小学6年生保護者)
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「テストの点数が90点以下だと家に入れない。」(群馬県・小学5年生保護者)
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罰や生活制限によるコントロール
遊び、休息、食事、睡眠といった子どもの生活に必要な時間や行動を「罰」として制限する行為です。これは一時的に行動が変わるかもしれませんが、長期的には「勉強=苦痛」という学習観を生み、心身に大きな負担をかける可能性があります。 -
「テストが悪いと1か月友達と遊ぶのを禁止している。」(福井県・中学2年生保護者)
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「課題を終わらせるまで食事を与えない。」(東京都・小学1年生保護者)
日々の関わり方を見直すための3つの大切な視点
教育熱心さと教育虐待の境界線は曖昧で、日々の慌ただしい子育ての中で見失いがちです。しかし、不安を感じた時に自分の行動を振り返るための大切な軸があります。これは、私自身も日々意識していることです。
1. 「子どもの意思や気持ちを聞けていたか」を振り返る
子どもの「嫌だ」「疲れた」という気持ちを、きちんと受け止められていたでしょうか。「将来のため」と親の理想を優先しすぎて、子どものペースや状態を無視して成果ばかりを追い求めていなかったか、立ち止まって考えてみましょう。特に、感情表現が苦手な子どもの場合、親が「頑張らせなきゃ」とリードしすぎていることが、子どもにとっては「納得していないままやらされている」状態になっていることもあります。
2. 「親自身の不安・期待が強く出すぎていなかったか」を振り返る
「勉強についていけなかったらどうしよう」「将来困るのでは」といった親の不安や焦りは、当然湧き上がるものです。しかし、その気持ちが子どもへの強いプレッシャーになっていないでしょうか。
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子どもを急かしたり、煽ったりした言葉は、親自身の不安から出ていなかったか。
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「もっとできるでしょ」という期待が、子どもへの否定に変わっていなかったか。
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テストの結果に一喜一憂しすぎて、子どもの努力を認める余裕を失っていなかったか。
親自身の感情と子どもの状況を切り離して考えることも、大切な視点です。
3. 「子どもの心身の負担が大きくなっていなかったか」を振り返る
子どもの心身の健康は、学力や成績よりも優先されるべきものです。「睡眠不足になるほど勉強させた」「食事や自由時間を罰に使ってしまった」「強い叱責で委縮させてしまった」といった経験はありませんか?
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睡眠、休息、遊びなど、子どものやりたいことが奪われていなかったか。
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勉強のために「生活の質」を犠牲にさせていなかったか。
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気持ちが落ち込むほど、強い否定や比較を続けていなかったか。
もし心身の安全が損なわれていると感じたら、それは「虐待」に分類されるリスクが高まります。完璧な親である必要はありません。大切なのは「気づいたときに立ち戻る」姿勢なのだと、改めて感じます。
まとめ:完璧ではなく「立ち戻る」習慣を
今回の調査から見えてきたのは、教育虐待が「特別な家庭だけの問題ではない」ということです。多くの保護者が、子どもを思う気持ちから行動した結果、それが「やりすぎ」だったかもしれないと悩んでいます。
だからこそ大切なのは、自分を責め続けることではなく、日々の関わり方を定期的に振り返る習慣を持つことではないでしょうか。
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子どもの意思を尊重できているか
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自分の不安や期待をぶつけていないか
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子どもの心身が苦しんでいないか
この3つの視点を意識することで、教育熱心と教育虐待の境界線に気づきやすくなり、子どもとのより良い関係を築く一助となるはずです。
詳細はこちらの塾選ジャーナル記事をご覧ください。
「教育虐待かも」と3人に1人が不安を抱くのはなぜ?親の後悔に共通する理由
出典:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000098.000116808.html)

