不登校の小学生に「専門学校スタイル」の学びを。札幌に新しいフリースクールが開校

2025年12月2日

小中学生の「居場所」と「未来」を支える新しいフリースクール

最近、学校に登校できないお子さんが増えているというニュースを目にするたびに、胸が締め付けられる思いがします。文部科学省の調査では、全国で30万人を超える小中学生が不登校という状況で、これは過去最多なのだそうです。いじめや発達の特性、家庭の事情など、子どもたちが抱える「生きづらさ」は本当に様々で、親御さんたちも「どうしたらいいんだろう」と悩む日々を過ごされていることと思います。

そんな中、北海道札幌市に、小中学生向けの新しいフリースクール「WILD CHERRY（ワイルドチェリー）」が2025年12月15日（月）に開校するという嬉しいニュースが届きました。このフリースクールは、子どもたちが安心して過ごせる「居場所」と、将来につながる「学び」を同時に提供する、いわば「専門学校スタイル」の次世代型教育施設です。

「WILD CHERRY」の主なポイント

小中学生版「専門学校スタイル」の学び：基礎学習はもちろん、英語、デジタル、スポーツ、キャリア・マネー・起業家教育、アート・デザイン・クリエイティブ、ウェルネスといった7つの分野を柱に、子どもたちの興味や関心に合わせて多様なプログラムを提供します。
経済的な不安を解消する奨学金制度：返済不要の「子ども未来基金」という奨学金制度を設けることで、経済的な理由で学びの機会を失う子どもがいないように配慮されています。これは親御さんにとっても大きな安心材料になるでしょう。
地域全体で支える「札幌モデル」：Vリーグ女子プロバレーボールチーム「アルテミス北海道」との連携も決定。地域や企業、行政、学校、家庭が協力し、子どもたちを社会全体で支える新しい仕組みを目指しています。
高校卒業まで見据えた一貫支援：開校後は、通信制高校との教育連携も視野に入れ、小中学校での不登校支援から高校卒業まで、切れ目のないサポート体制を築くことを目指しています。

不登校を経験した父親だからこそ生まれた支援

このフリースクールを運営する株式会社EXECUTEの代表、谷本邦元さんは、ご自身のお子さんが不登校を経験された父親でもあります。「自分なんていない方がいいのかな…」と涙ながらに言われたお子さんの言葉が、今も胸に深く刻まれているそうです。しかし、ある日「外国人講師との英会話」をきっかけに、お子さんが自信を取り戻し、人生が前向きに動き出した経験から、「学びの種類や環境を変えれば、人生は動き出す」という強い信念を持って、この「WILD CHERRY」を立ち上げました。

長年、子ども向けのスクールを運営してきた実績とノウハウを活かし、行政の補助金に頼らない、持続可能な教育プラットフォーム「札幌モデル」を全国に広げていこうという構想は、とても心強いですね。

子どもたちの「やってみたい」を大切に

WILD CHERRYでは、多様なプログラムを通じて、子どもたちが「自分の未来」を少しずつ描き始めることをサポートします。たとえ「今日は何もしない」という日があっても、その気持ちを尊重し、「やってみたい」と思った瞬間を大切にする環境があるのは、子どもたちにとって大きな安心につながるでしょう。

提供される7つの学びの柱は、現代社会で必要とされるスキルや、子どもたちの心身の成長を促す内容が盛り込まれています。例えば、AI時代に対応する「デジタル教育」や、自己表現力を育む「アート・デザイン・クリエイティブ教育」など、多岐にわたります。

地域と連携したサポート体制

今回の開校に合わせて、女子プロバレーボールチーム「アルテミス北海道」との提携も決まりました。スポーツ教育や地域活動連携など、多方面での協働を通じて、子どもたちの居場所作りを社会全体で支えようという取り組みです。

また、一人でも多くの子どもたちを支援するため、寄付や協賛、クラウドファンディングの受付も開始されています。集まった支援金は、前述の「子ども未来奨学金」として、経済的に困難な家庭の子どもたちの学費サポートに活用されるとのことです。

クラウドファンディング：https://camp-fire.jp/projects/898222/preview?token=3pzav3a9&utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show

まとめ

「学校に行けない子ども達が、未来に行ける居場所を作る！」という強い思いから生まれた「WILD CHERRY」は、札幌から北海道、そして日本全国へと、不登校に悩む子どもたちとそのご家族に希望を届ける新しい教育の形となるでしょう。多様な学びと手厚いサポート、そして社会全体で子どもたちを支える仕組みは、多くの親御さんにとって心強い選択肢となるはずです。